賃貸の契約を終了して物件を明け渡す際には、賃借人が借りたときの状態に回復させる義務が生じます。
これを原状回復ということはみなさんご存知だとおもいます。原状回復とよく似た言葉で、原状復帰という言葉もあります。
この二つは微妙に意味が違うものなのかなと疑問に思われた方はいらっしゃいますか。結論から言うと、両方とも同じことを指しています。意味も一緒なのに紛らわしいことをせずに統一してくれればいいのにとも思えてしまいますが、これにもちゃんとした理由があるようです。「原状回復」は法律用語であり、「原状復帰」は建設用語なのです。
さて、原状回復工事というと、トラブルになりやすいものがあります。オフィスや事務所移転時の原状回復工事です。契約書でオーナーが業者指定を行っている場合には、その指定業者が行う工事が本当に必要なものなのかどうか判断することが難しいといえます。高額な費用を負担してしまう結果を招いてしまうことになりがちです。契約する際には、オーナーとのコミュニケーションを大切に、原状回復の義務の範囲をしっかりと共有しておくことがトラブルの回避につながるといいます。