テナントの契約終了時、一般的に原状回復義務が原則として定められているというところがほとんどではないでしょうか。テナントを返すときには、物件を借りたときの状態に戻すための内装解体工事をする必要があります。入居後に設置した設備すべてを撤去し、工事過程で出た廃棄物の処理もしなくてはなりません。では、「居抜き物件」を借りていた場合はどうでしょうか。原状回復についてはどこまでする必要があるのでしょう。居抜き物件にはあらかじめ様々な設備や造作が設置されていて、借り主の初期投資を大幅にカットできる利点があります。それと引き換えに、契約終了時にはほとんどの物件で「スケルトン戻し」が原状回復の条件として定められています。スケルトン戻しとは、内装解体工事をしたあとに、その仕上げとして、建物の構造体だけが最終的に残るようにすることをいいます。例えば鉄筋コンクリートの建物ですと、打ち放しコンクリートの状態にする必要があります。運よく造作譲渡を引き受けてくれる借り手が見つかれば、費用負担を避けられます。何かの縁で借りた物件、入るときだけでなく出るときにも、必要な確認や準備をしっかり行って、次の借り手が気持ちよく使えるようにしたいですね。