賃借りしていた住居を去る時、問題になって来るのが原状回復というものです。原状回復とは、簡単に言えば賃借人が借りた当時の状態に戻すこと。ただしそこには通常の使用によって摩耗した物は含まれず、線引きが曖昧であることからトラブルの原因となりやすいのです。気持ちよくお部屋を退居するためには、そのお部屋を借りる段階から十分に備えておくべきでしょう。
まず、入居時からできることがあります。基本的に入居するお部屋には、多少の傷や汚れなどが最初から存在します。入居する際には賃借人と賃貸人の両者が立ち合い、写真やチェックリストにそれらの状況を記録しておくようにしましょう。これによって、その傷が自分で付けた物か否かという判断がはっきりします。そして当然のことではありますが、賃貸契約書の契約事項をしっかり確認するようにしましょう。契約書は、その物件の賃貸人が作成するのが一般的です。賃貸人側にも理解してもらうように努める義務がありますが、賃借人側にも、それを理解する義務があります。不明な点、納得できない点はその時相談するようにしましょう。
現在は国土交通省より原状回復に関するガイドラインも作成されていますが、その時々のケースによって原状回復の線引きが異なることはあります。大切なのは、前述のように、トラブルを起こさないように自分からも働きかけていくことなのです。