慣れ親しんだオフィスを移転することになったという場合に避けて通れないのが「原状回復工事」です。「原状回復」とは、床や壁、天井の汚れの改修はもちろんのこと、入居後に取り付けた設備や備品などの撤去もこれに含まれます。また時間的にも制約があり、契約満了までに原状回復工事を完了させることになっていますので、移転のスケジュールを組む時には、工事にどのくらい時間がかかるのかを把握しておかなくてはなりません。今のオフィスがいつまで使用可能か、という点についても作業日数により左右されるということになりますから、注意が必要ですね。また原状回復工事をするにあたっては、契約書を改めて見直してみてください。契約した物件の「原状」について、仕様説明が具体的に記載されているかどうかや、工事業者が指定されているかなども合わせてチェックしておくと工事の依頼もスムーズでしょう。ビルの多くは原状回復をはじめとした工事について、あらかじめ施工業者を指定していることがほとんどで、競合他社がいないため工事費用が高くついてしまいがちです。もし業者の選定が可能であれば、借りたときの状態に戻すことが工事の目的ですから、必要以上に高額な費用がかかるような工事の必要は無いということです。