例えば庭付き賃貸物件において生い茂った雑草などを放置したまま退去しても良いのかどうかは、判断の難しいグレーゾーンにあるものの一つです。
通常借主に対して原状回復の義務が発生するのは、こぼした食べ物のシミや家具を引きずった際のキズなど、気を付けていれば回避できる過失によってできた汚損などです。
家具の重みによる床のヘコミや日焼けなど、普通に生活していて自然の時間経過によって発生した劣化については借主が責任を負う必要はありません。
では雑草は?借主が何もしなくても、雑草は自然に繁殖していきます。これは経年劣化に該当するのではないかとも考えられます。
しかし、「普通に生活していて」庭に生い茂った雑草を放置するものなのか、と問われれば放っておくとは答えにくいのではないでしょうか。
借主に責任のある汚損の条件の中には借主の管理下において十分に手入れがされていれば汚損されなかったものも含まれます。具体的にはお風呂の水垢などが該当します。
庭の手入れがされなかったために雑草が生い茂った、と主張することも可能なのです。
雑草の扱いについては法的に基準が明示されているわけではありません。
無用なトラブルを避けるためにも、賃貸契約の際に確認しておくのが良いでしょう。