原状回復とは賃貸住宅を退居する際に、借りた状態に戻すということではありません。 建物の価値というのは時間の経過によりどんどん下がっています。ですから借りた状態に戻すという行為はその分も含まれてしまうのです。 あくまで、住んでいた方が要因となって下がってしまった価値を取り戻すという行為になります。 では一体どういったものが該当するでしょうか。もっとも多いのは破損ではないかと思います。 例えば、時計をひっかけようと釘を刺したり、よろけて壁にぶつかり穴をあけてしまったり、わざとでなくても損失を与えます。 このような場合は元の状態に戻す必要があるのです。 また、結露などによる腐食やカビ、設置物によるへこみや傷など、普段気づきにくいものも該当します。もちろん、変色も原状回復が必要です。 タバコを吸う方はヤニで部屋中のクロスが変色している可能性があるので、全面張り替えなどもあり得ます。 ですが日焼けによる変色などは通常摩耗に含まれる場合があり、原状回復をしなくても済むことが可能です。 このように、一般的な使い方をしている場合は時間経過によるものとみなされ、原状回復の必要がない場合もあります。しかし、明らかに通常の使い方を超えている場合は原状回復の必要があります。 ただ、原状回復はトラブルが後を絶ちません。原因は明確なラインが存在せず、貸した人・借りる人の認識の違いでのいざこざがあるからです。 そういった場合は原状回復の業者に相談し、一任してしまうのもいいかもしれません。