善管注意義務は、賃貸物件を借りている側が負うべき義務です。 簡単にいえば、その物件を契約借款に従い利用し、故意に損壊させないという意味の言葉です。 例えば、壁にテレビの壁掛け金具を取りつけるというのは、本来取り付けなくても良いものを無理に取り付けているとして、善管注意義務を怠ったということでネジを開けた場所を含めた壁面の補修が必要になりますし、タバコを吸う人であれば、極端なヘビースモーカーで壁にヤニ汚れが染み付くなどすれば、やはり壁紙の交換が必要になります。タバコが原因の善管注意義務違反は、他にも床にタバコを落として焦げさせるというのも義務を果たしていないとして、修繕の対象になる場合があります。 こうした善管注意義務に反した場合の補修についても、他の部分とまとめて原状回復工事で対応することが可能な場合がありますが、工事内容、費用については貸主ともよく話し合った上で決めておかないと、工事の二度手間になってしまう恐れもあるので十分に注意しましょう。 また、原状回復工事も含めて退去期限が決められる場合があるので、スケジュールの設定は原状回復工事を行なう業者ともしっかり詰めておくことをおすすめします。