賃貸住宅から引越しをされたことのある方には、なじみのある原状回復という言葉ですが、店舗や事務所を借りている方にも、転居の際には必ずこの作業が必要になります。住居の原状回復には、クロス・畳の張り替え、パーテーションの撤去などがあります。ただし、アパートやマンションはここで生活をするという目的は次の入居者も同じですから、基本的な設備はそのままです。しかし、店舗の原状回復の場合は、次にどんなお店が入るのかわかりませんので、その業種によって入れる設備が全く違ってきます。そのような理由から、店舗の退去の際にはスケルトン解体工事を行う場合がほとんどです。スケルトン解体は、建築物以外のすべてを解体し、床・壁・天井・配線などすべてを入居時の状態に戻すことを言います。解体工事後にはコンクリート打ちっぱなしの空洞状態になっている、という事が多いです。解体工事を見積もる際には、間仕切りやカウンター、個室の数や小上がりのなどに対して費用がかさんでいきます。焼き肉店など、排気ダクトの多い店舗ですと、その部分にも別途見積もりがかかります。ただ、入居時の大家さんとの契約によっては内装すべてを撤去しなくてもよい場合もあります。契約時には、退去時のことはなかなか考えられない事も多いかもしれませんが、大事な契約事項のひとつですのでしっかり確認しておきましょう。