賃貸契約には、原状回復という言葉がつきものです。一般的に原状回復は、「借りた状態に戻す」ではなく、「賃借人に責のある劣化の修繕義務」という認識になります。ですから、普通に住んでいるだけでは、原状回復の義務が発生しづらい状況とも言えます例えば、壁紙や水回りは、生活していれば当たり前に使う場所でもありますので、何もしなくても経年劣化していきます。居住の際にタンスなどを使用すればヘコみもできるでしょう。これらは、生活していれば誰しも起こり得る普通の消耗となり、通常の使用による摩耗と認識されるケースが多いです。そして、通常摩耗による損傷は賃料に含まれているという考えなので、退去時に賃借人が責任を負うことは少ないです。では、原状回復が必要な場合とはどんなケースがあるのでしょうか。よくあるのはDIYによるものです。DIYの精神はとても素晴らしいもので、その考え自体は素敵なことなのですが、こと賃貸においては注意が必要です。室内作業中の傷はもちろんですが、できたレリーフなどを飾るときにも釘などで打ち付けると原状回復の義務が発生する恐れがあります。ですから、何か棚などを取り付ける際にも一枚ベニヤ板を挟むなどして、直接室内に傷を付けないように気をつけましょう。ルールを守って正しく使っていれば、原状回復は基本的に避けることができますので、気をつけてお使いください。