原状回復というと何でも入居前のように戻さないといけないと思われるかもしれませんが、実際には違います。皆さまの使用によって劣化した部分だけを皆さまの負担によって原状回復するのであって、経年劣化での汚れや染みなどは皆さまの負担にならないことの方が多いです。例えばフローリングの色落ちです。こちらは皆さまが汚したのでなければ、劣化によって変色したものであるので皆さまの責任ではありません。皆さまではどうしようもないので、皆さまの負担にはならないのです。もちろん食べ物などをこぼして、そのままにしたことによって発生した変色などであれば皆さまの負担になってしまいます。他には畳の変色、備え付けの家具を設置していることで発生する床の凹みも皆さまの責任ではありませんので負担にはなりません。このように全てが皆さまの負担になる訳ではない点はよく覚えておきましょう。先ほどのように、ものをこぼしてそれを放置したことによって発生した汚れは皆さまの責任になり、負担になりますので、この点もよく覚えておきましょう。原状回復の考えは、基本的にはこのように責任があるかないかによって判断されます。更に借主と貸主の契約によっても変わってきます。法外な契約の場合は無効になりますが、原状回復は借主と貸主がどういった契約を結んでいるかが重要になりますし、また互いの話し合いによる結果が尊重されますので、もしかすると皆さまの責任であっても「長く住んでくれたから」という理由で原状回復費用が免除になるかもしれません。どれが皆さまの責任になるのか、そうでないのかをはっきりとさせるためにも借主と貸主の間の話し合いは欠かせないのです。