原状回復という決まりに込められた思いは『立つ鳥跡を濁さず』の言葉に集約されていると思います。 原状回復について調べているということは、今あなたは新しい一歩を踏み出す直前なのでしょう。そんな方だからこそ、この原状回復に込められた思いは理解できるはずなのです。 例えば、新しいお家にお引っ越しをしよう。店舗を借りて新しくお店を出そう。来たる新生活に思いを巡らせながら扉を開くとそこには・・・カビの生えた畳。黒く煤けた壁紙。画鋲の穴だらけの壁。そんな光景が広がっていたら嫌ですよね? ここで登場するのが原状回復なのです。今まで暮らしたお家に、今までの商いを支えてくれた店舗に感謝を込めながら、次にここを使う人が気持ちよく使えるように。そして何よりも、新しい門出を迎えた自分が、笑顔で居られるように綺麗な元の状態に戻していく。その思いやりの心と、自衛の思いはまさに。『立つ鳥跡を濁さず』といったところでしょう。 「自分はこの場所を出ていくんだ。もう自分とは関係ないしなぜこんなお金をかけなければならないかわからない。」そんな思いを抱く方も居るかもしれません。ですが、ここでもう一度あげておきたい点は、原状回復は自衛でもあるのです。悲しいことに、住宅などの賃貸を巡ってのトラブルは後をたたず、裁判にまで発展することも珍しくありません。こういった余計なトラブルを起こさず、みんなが気持ちよく笑って新たな門出を迎えることができるように、原状回復というものがあるのです。