賃貸物件の入居者には退去時に原状回復を行う義務があります。入居者の過失によりできた傷や汚れをきれいな状態に戻す必要があるのです。物件と言っても借りているものですから、当然の事と言ってしまえばそれまでですが、必ずしも原状回復が必要になるわけではありません。原状回復に相当するのは、入居者の過失によるものであるため、自然消耗や経年劣化は含まれないのです。つまり、普段から掃除などのメンテナンスを怠らず、部屋に傷をつけるようなことをしないようにすれば良いわけです。また、自分が退去した後にも入居者は現れるわけですから、次の入居者のことを考えると、部屋に傷や汚れがあったら、せっかくの新生活が台無しになってしまうかもしれません。次の入居者の立場になって考えれば自然ときれいに部屋を使うようになるのではないでしょうか。また、普段の掃除も大切です。特に水回りは注意が必要です。キッチンのシンクであればサビや水垢、お風呂場のタイルやゴムパッキンはカビなど、掃除やメンテナンスを怠っていると、気付いたときには、落とすのが難しい段階になっていることがあります。そうなると、原状回復か、事前に業者に頼んで掃除してもらうことになりますが、どちらにしても費用がかかります。それを防ぐためには、借りている部屋だということ、後にも入居者がいることなどを意識して普段からメンテナンスを行い、丁寧に部屋を使うことが重要なのです。