賃貸物件を借り、新生活を始めようという方に最初に申し上げたいことがあります。それは、退居時に余計な費用を払わなくて済むように、普段から丁寧に住まいを扱いましょうということです。「入居したばかりなのに、今から退居時のことを考えるのは早すぎないか?」そう思われるかもしれません。しかし賃借人には、退去時には原状回復の義務があります。この原状回復を巡ってのトラブルが多発しており、そのため国土交通省からも、原状回復に関するガイドラインが提示されています。
勘違いされがちですが、原状回復とは入居時の状態に戻すことではありません。例えば畳やクロスの日焼けなど、通常使用していて避けられない経年劣化までは負担する必要はないのです。ただし、故意や過失による損傷、また適切な管理を怠ったことによる損傷などは賃借人の負担になってしまいます。最初に「丁寧に住まいを扱いましょう」と述べたのは、これによるものです。お掃除一つをこまめに行うだけで、原状回復の費用を大きく抑えられるかもしれません。
賃借りする際に、最初からついていた汚れや傷をチェックした経験がある方も多いでしょう。それも、退居時のトラブルを防ぐために必要なことです。ガイドラインは定められていますが、それでも曖昧な部分はあり、それらがトラブルにつながります。注意しすぎるということは無いのです。後味良く退居するためにも、日々の生活を健康に過ごすためにも、まずはこまめなお部屋のお掃除から始めてみてはいかがでしょうか。