原状回復工事、それはテナントとして貸し出されていた場所をもとの状態に戻す、または入居前の部屋に戻す工事のことをいいます。工事内容はさまざまで、修繕の作業やクロス・壁紙の張り替えなどもおこないます。
原状回復工事のメリットは、建物の老朽化を防ぐ・入居者が来やすい環境になる・トラブル回避に役立つなど多くのものが挙げられます。原状回復工事をすることで、工事をするたびに新しいものへ変えていくので老朽化が防げるだけでなく、建物の中は新築同様の状態になり、入居者が来やすくなります。
今テナントとしてマンションやアパートを貸し出している方に向けて、今回は原状回復工事の効果や業者の選び方について、詳しい内容をご紹介いたします。
原状回復とは…どのようなときにする工事?
【原状回復工事】原状回復工事とは、貸し出したマンションやアパートなどにおこなうものです。契約終了後には入居時またはテナントにする前の状態に戻すことを指します。原状回復工事をおこなうのは借主や貸主です。どちらが費用を負担するかは、その箇所がどのような理由で損耗したのかなど、理由によって異なります。
では、原状回復工事とは具体的にどんなことをするのか。それはスケルトン工事・内装解体工事の2つです。ひとつひとつ内容を確認していきましょう。
【スケルトン・内装解体工事】
スケルトン工事とは、新しいテナントがそこに入る際、建物の構造のみを残して壁・床・壁・天井・配線・給排水管・吸排気設備などを初期の状態に戻すことです。内装解体工事とは、原状回復をするのに不必要となる建物内部を構成する部材の畳・床などの設備を解体し、撤去することです。こちらは専門業者に依頼して解体をしてもらう必要があります。
原状回復をするとどんな効果があるの?
原状回復をすると、室内は新品同様のきれいな状態になり、建物の劣化を遅らせることができる、入居を考えている人が興味を持つ、原状回復工事をする際のトラブルを回避することができるといったたくさんのメリットがあります。もう少し詳しく説明いたします。
・建物の劣化の進行を遅らせることができる
原状回復工事は、室内を新しい状態にするためにハウスクリーニングでキッチンやトイレや洗面台などの水回り、エアコンや換気扇などの掃除もしっかり施されます。照明や直射日光により焼けてしまった壁紙、生活臭が染みつきやすいクロスを取り換えることで、そのたびに建物は新しい状態を保つことができるので建物の劣化を防ぐことができます。
・入居者が来やすい環境になる
なぜ入居者が来やすい環境になるのか、それはアパート入居の決め手になる多くは、外観や内装のつくりを重視しているからです。原状回復工事というのは、今まで使っていた物件を新品同様の状態にすることが目的となっています。そのため外装は新築のようにきれい、内装も新品のものばかりだと入居者が興味を持つため、入居者が来やすい環境になります。
・トラブル回避に役立つ
契約期間が来たため退去をすることになった際、敷金から専門業者が計算し、点検や原状回復工事の見積りなどをしていただきます。専門業者が退去時の立会いや敷金を計算することで費用負担額などが明確になり、マンションやアパートのオーナーとトラブルになるケースが減ります。
原状回復を安心してまかせたい!業者の選び方
原状回復工事をする前に専門の業者に見積りをとることで、費用負担額を明確にしたいと思われる方は多いのではないでしょうか?できるだけ安く収めたい、そんな方に向けて原状回復工事を安心してまかせられる業者の選び方をご紹介いたします。
業者を選ぶときにチェックする点は、以下のような項目です。
この4点に着目して業者を選んでみてください。3つめの価格に関しては各業者のサイトをみていただくと相場がわかると思います。具体的な金額を知りたいという場合には、見積りを取ってみて複数社の費用やサービス内容を比較してみるといいかもしれません。
工事をする前に確認すべきポイントは3つ!
工事をする前に確認するポイントを、以下に3つご紹介します。
・工事期間がどれぐらいかかるのか
原状回復工事の期間は、明確な工事のタイミングや特約はないのではっきりとした日にちがありませんが、原則「明け渡しの期日まで」とされています。
ここで気を付けないといけないのが、原状回復工事をどこまでおこなうか「範囲を」をはっきりさせておくことです。例えば小さいテナントの原状回復工事の場合は、小規模のため短期間で終わると考えられます。しかし、使っていた範囲が広範囲の場合、期間は長引きます。それに加え、タイルやクロスなどの張り替えの請求があった場合はさらに期間が延びます。
このように、初期の構造とは大幅に変更する場合、原状回復期間が長引きます。期間がかかれば当然、費用の価格も変わってくるので、必ず「明け渡し期間」を設定してから工事を依頼しましょう。
・建物の構造次第では費用がかかることがある
もとの建物の構造が変わった造りの場合、原状回復工事の期間が伸びるだけでなく、費用もかさみます。工事期間と似たお話になりますが、例えばテナントにする前の部屋の壁がタイル張りだったり、特殊な構造になると同じ構造に戻さなくてはなりません。結果、タイルや特殊な壁紙やクロスを使用しているところだと、その分の費用がかかってしまいます。
・事前に見積り・相談をするとよい
敷金でやりくりする予定が、いつの間にか敷金を上回るほどの金額になっていた…という事態を回避するために、事前に業者に見積りを依頼しましょう。ただ依頼するのではなく、どんな内容でどれくらいの金額になっているかを明確にしておく必要があります。
原状回復工事の予定が室内のグレードアップの話へ転換していた、という事例も多くあります。そんな話になる前にこちらから「原状回復工事の見積りと工事期間の案内のみお願いします」とお伝えすることで、安心してまかせることができるでしょう。
まとめ
原状回復工事をすることで、建物の劣化を遅れさせる・入居者が来やすい環境になる・トラブル回避とたくさんのメリットがあります。
工事をするにあたり明確にしておきたいのは、工事期間・建物の構造・かかる費用です。安心してまかせられるよう、納得のいく業者を選定していきましょう。失敗しない業者の選び方は、電話での見積りが可能・公式サイトに施工実績が公表されている・価格が適切であるか・クリーニングやリフォームなどのさまざまな工事に対応しているか、の4つのポイントで選ぶことです。
納得のうえ工事ができるよう、業者の選定や確認すべきポイントをしっかりと理解するなどの事前準備を怠らないようにしたいですね。