皆さんは「DIY型賃貸」というものをご存知でしょうか?通常アパートやマンションなどの賃貸は、退去時に原状回復が必要になります。そのため、壁に棚を取り付けるなど、建物を傷つけるような大掛かりな模様替えは難しいものです。
退去時に何かと面倒になる原状回復は、DIY型賃貸なら必要ありません!DIY型賃貸は、通常の賃貸よりも自由にお部屋をカスタマイズすることができる、今非常に人気な賃貸なのです。今回は話題のDIY型賃貸についてご紹介いたします。
目次
原状回復が不必要なDIY型賃貸がいまのトレンド!
通常の賃貸では、引っ越しなどで退去する際、借主は借りていた部屋を「原状回復」するように求められます。この「原状回復」とは、そもそもどのような意味なのでしょうか?
原状回復とは何?
賃貸における原状回復とは、「借りていた部屋を入居した当時の状態に戻す」という意味になります。基本的に賃貸物件に入居する際には、この原状回復義務が課せられます。タバコや飲みこぼしによる汚れ、水回りのカビ、引っ越しや模様替えの際に生じた傷など、できる限り取り除いてお部屋を貸主に返さなければなりません。
原状回復ができていないと、敷金が返ってこなかったり、ハウスクリーニング代を別途請求されてしまったりするおそれがあります。多額のお金が絡むデリケートなことなので、貸主借主の双方が神経質になり、トラブルにつながりやすい問題でもあります。
DIY型賃貸とはどういうもの?
お部屋を好きにカスタマイズすることはできず、退去時の問題にもなりやすい原状回復は、DIY型賃貸なら必要ありません。DIY型賃貸の最も大きな特徴は、「退去時の原状回復が免除されている」ことです。
通常の賃貸なら即問題になってしまうようなリフォームも、DIY型賃貸でおこなうなら問題ないでしょう。昨今のDIY人気にこたえたような、「自分で好きにお部屋をカスタマイズできる賃貸」が、DIY型賃貸なのです。
DIY型賃貸に住むメリット
「この場所にこんな棚が付いていればいいのに」「床がフローリングならいいのに」といった問題は、通常の賃貸では我慢することしかできません。しかし、DIY型賃貸なら持ち家のようにお部屋をカスタマイズすることができるため、普通の賃貸よりも快適に過ごせますし、お部屋に愛着も湧きます。
特殊な条件が付いている賃貸なので、賃料が高くなるようにも思えますが、むしろその逆で、DIY型賃貸の賃料は安く設定されている場合が多いです。また、原状回復を求められることがないので、退去時にも手間や費用を省くことができるでしょう。
貸主にとっても、長期の居住で安定した家賃収入が期待できたり、借主負担で改修をおこなってくれたりなどのメリットがあります。よいことばかりのように思えますが、DIY型賃貸だからこそ注意しなければならない点もあるようです。
原状回復の必要ナシ!DIY型賃貸は何してもよいの?
自由にリフォームすることが認められているため、退去時に面倒になる原状回復は、DIY型賃貸では基本的に必要ありません。ですが、だからといって何をしてもよいというわけではないようです。
じつは、DIY型賃貸で自由にリフォームが認められる「工事の範囲」や「できることの範囲」は、貸主の裁量によるところが大きいのです。貸主が認めない範囲でリフォームをおこなってしまった場合、例外的に原状回復が必要になったり、後から修繕費用を求められて問題になったりするケースも多いようです。
基本的には戸建ての持ち家ではなく、賃貸を借りて住んでいるのだということを忘れてはいけません。何かお部屋を改修して穴を開けるなどする際には、必ず貸主に可能な範囲かどうか念入りに確認をとっておこなうようにすれば、余計なトラブルを防ぐことができるでしょう。
せっかくのDIY型賃貸!壁や床を変えちゃおう
「どこまでリフォームできるのか」に気を付ける必要はありますが、やはり基本的には原状回復のないDIY型賃貸で、お部屋を好きにリフォームできるのは大きなメリットです。
自分のお部屋に強いこだわりを持っている人なら、DIY型賃貸は非常に住みよいお宅になるでしょう。せっかくそんな魅力的なシステムのお部屋に住むのなら、思いっきりお部屋をいじらないと損というものです。
しかし、やはりどこまでリフォームしてよいものか、というのは難しいものです。この章では、もし原状回復を求められても問題ないような壁紙や床のDIYリフォームの仕方をご紹介いたします。
壁紙をDIYする
賃貸でのリフォームに適しているといわれる「フリース壁紙」は、裏面がフリース(不織布)でできている壁紙です。フリースとは、ポリエステルなどの化学繊維を絡ませて作った素材です。紙の壁紙よりもDIY初心者にも扱いやすい素材だといわれています。
フリース壁紙は元の壁に「フレスコのり」を塗って貼り付けるのがよいでしょう。フレスコのりは接着面があまり強くないので、後からはがしやすいというメリットがあります。さらに、フリース素材はフレスコのりで貼り付けることで、はがした痕が残りにくくなるというメリットもあります。
また、さらに手軽な方法としては、「リメイクシート」というものを使う方法もあります。これは、壁紙の上から貼って後からはがすことを前提とした、シールのようなものです。壁紙以外にもさまざまな場所の模様替えに応用が利くので、知っておいて損はないアイテムです。
いずれにせよ、なるべくもともと貼ってある壁紙を傷つけないように工夫をすることがポイントとなります。すぐにはがして原状回復できるような素材の壁紙を貼り付けるようにしましょう。
床をDIYする
床のDIYリフォームの場合も、基本的には壁紙のDIYと同じように、元の床をなるべく傷つけない、すぐに原状回復できる素材を使うことが基本になります。「リメイクシート」は床用も販売されており、壁紙と併せてリメイクシートを使用するのが手軽でよいかもしれません。
他に床のDIY素材として使いやすいのは、「床タイル・床パネル」でしょう。インターネットの通販などで検索すると、フローリングとほとんど見分けがつかないようなタイルが販売されていることも多いです。
このタイルやパネルは、カッターなどで必要な大きさに切って使ったり、ひとつひとつ必要な範囲まで重ねて敷き詰めたりして使用します。接着剤を必要としないものも多いので、床を傷つけることなく、手軽にDIYを楽しむことができるでしょう。
もしも原状回復が必要になったらどうしたらよい?
基本的に原状回復はDIY型住宅には必要ありません。あくまで賃貸ということを忘れずに気を付けてお部屋を使えば、トラブルになることも少ないでしょう。
しかし、貸主がリフォームしてよいと認めた範囲と借主が認識していた範囲が食い違っていて、結果的に原状回復が必要になるケースも残念ながら多くあります。万が一貸主に原状回復を求められてしまった場合は、いったいどうすればよいのでしょうか?
普通のお部屋でも、非常に手間になる原状回復ですが、DIY型賃貸ですでに大きくお部屋の内装を変えてしまっていた場合の手間は計り知れません。なかなか時間が取れなかったり、そもそももう自分で手の付けられない範囲までお部屋をリフォームしてしまったりしている場合もあるかもしれません。
自分で原状回復するのがどうしても難しい場合は、業者に依頼するのを検討してみるのはいかがでしょうか?業者に依頼をすれば、自分ではどうにもならなくなったお部屋でも、プロの技術で原状回復して貸主とのトラブルを避けることができるかもしれません。
また、忙しくて時間が取れないときに手間のかかる作業を代わりにやってくれるのは、それだけで大きなメリットになります。どうしてもお部屋の退去で困ったら、業者に依頼をするのをおすすめいたします。
まとめ
最近話題になっている「DIY型賃貸」は、普通の賃貸よりも自由にお部屋をリフォームすることができる賃貸です。お部屋の退去時に問題になりやすい原状回復はDIY型賃貸では必要ないので、好きにお部屋を使えるだけでなく、貸主との余計なトラブルを避けることもできます。
しかし、基本的には原状回復がいらず、自由に使えるDIY型賃貸も、貸主の裁量によって、リフォームできる範囲が異なる実態があります。あくまで賃貸に住んでいるということを決して忘れず、DIYやリフォームをする際には貸主に念入りに確認をとらなくてはいけません。
もしリフォーム可能な範囲に食い違いが起こってしまったら、原状回復を命じられることもあります。自分で原状回復するのが難しい場合は、業者に依頼をするのもよいかもしれません。