借りていたオフィスや店舗を引き渡す際、原状回復という作業をおこなわなければなりません。みなさんは、スケルトン施工をご存知ですか?原状回復の工事には段階があり、その中で最も大変な工事といわれているのが、スケルトン施工です。
では、そのような原状回復は具体的にどのような手順で工事が進められるのでしょうか。工事の内容だけでなく、工事にかかる費用、安くなる条件など、原状回復に関するすべての情報をお教えします。
原状回復スケルトン施工の工事内容と種類
借りていたオフィスなどを撤去する場合、原状回復の工事をしなければいけません。では、原状回復工事とは、どのようなことをするのでしょうか?原状回復は、ただ綺麗にすればいい簡単なものではありません。詳しい工事の流れについてお伝えしていきます。
1.内装解体工事
原状回復をおこなうには、まず内装の解体工事から始めます。工事内容を簡単にご説明いたしますと、主に部屋の設備や装飾を取り払うことをいいます。借りていた最初の状態から取り付けたものなどは、外さなければなりませんので、元の状態へと戻す作業が必要になります。
2.スケルトン工事
内装解体工事が終わったら、次にコンクリート打ちっぱなしの状態にします。この作業をおこなうことで、配線をゼロから使用することができます。
3つの作業の中でも一番大変な作業といわれており、壁や天井などはもちろん、電気や水道なども最初の状態へ戻さなければなりません。この作業は専門におこなっている業者に依頼をする必要があり、素人では到底おこなえるものではありません。
3.産業廃棄物処理
最後に、産業廃棄物を処理します。この処理は、ただ捨てればいいわけではなく、法律にのっとった方法で捨てなければなりません。この処理の仕方を間違えると、違法とみなされ、不法投棄に加担したとされることがありますのでご注意ください。こちらも、専門知識を持っている業者に依頼する必要があります。
原状回復にかかる費用相場はどれぐらい? 高くなる条件とは?
原状回復をしなければならないときには、どれくらいの費用がかかるのか、気になりますよね。正確にいくらかかるかは、オフィスや店舗、設備によって異なりますので、お伝えすることはできません。
しかし、だいたいの平均費用や、内訳などをお教えすることはできますので、ぜひ参考にしてみてください。
原状回復スケルトン工事にかかる費用
スケルトン工事は、部屋にある設備や内装をなくす作業をおこないます。例えばオフィスと店舗なら、設備の内容もがらりと変わりますよね。詳しい費用の内容は、依頼する業者に聞くのが一番ですが、料金の設定の仕方は決まっています。どのように費用の計算をしているのか、だいたいの目安をお教えします。
●多くの場合、坪で換算される傾向にある
スケルトン工事をおこなうときにかかる費用は、坪で計算されることが多いです。また、立地条件などにより価格が変動することもありますので、一度直接どれくらいの料金がかかるのかたずねてみましょう。
●坪単価の一般平均は3万円前後、設備しだいでは10万を超えることもある
原状回復をするのにかかる料金は、人件費+出張費+材料・機材費用がかかります。坪単価で言うと、一坪の平均は3万円前後といわれていますが、施工内容や設備によっては、金額が大きくかわることがありますのでご注意ください。
原状回復の費用が「安く」なる条件
原状回復の作業は大きなものですので、費用もそれなりにかかってしまいます。少しでも安く済ませたいですよね。依頼をする前の店舗の状態によっては、費用を抑えることができるかもしれません。一度当てはまる項目があるかどうか、確かめてみましょう。
●店舗が小規模
●内装の装飾が少ない
●排水や水道といった設備の状態がよく、劣化が少ない
●禁煙していた、調理をしていないなど
これらの条件を満たしているようでしたら、原状回復の工事を抑えることができます。もし今から設備を増やす予定でしたら、これらの項目を意識してみてはいかがでしょうか。
原状回復の費用が「高く」なる条件
原状回復の工事を依頼したときに、想像以上に費用がかかってしまうことがあります。もし下記の項目に当てはまるようでしたら、高くなってしまうかもしれません。
●店舗が大規模
●内装を変更しすぎた
●各設備の使用頻度が高く劣化がひどい、メンテナンスを怠った
●喫煙可能だった、調理などで油がはねたり臭いがシミた
●器具の搬入が難しかったり時間がかかる立地にある
一つでも当てはまるようでしたら、高くなってしまう可能性があります。一度どれくらいの費用がかかるか、依頼をする際にたずねてみましょう。
原状回復の依頼先を選ぶときに気をつけたいこと
原状回復の依頼先を選ぶときは、費用だけでなく、工事期間も気を付けましょう。契約書次第にはなりますが、いつまでに原状回復工事を終わらせなければならないのかをきちんと確認して予定を立てましょう。
場合によっては、原状回復をしなくていい場合もあります。どういった場合に限るのかについても詳しくご説明いたします。
建物のオーナーに確認を取る
オーナーとの契約次第では、原状回復をしなくても、引き渡しができる場合があります。みなさんは、居抜き物件という言葉をご存知ですか?居抜き物件とは、前のテナントの設備等が残ったままの物件のことをいいます。
次のテナントが設備等をそのままの状態で使用できますので、初期費用などを浮かせることができます。また、作業にかかる時間も減るので、費用を安く済ませたい方にとっては嬉しい物件になります。
しかし、勝手に居抜き物件として引き渡すことはできませんので、原状回復をすることになったときは、一度オーナーとよく話し合いをしましょう。
費用や工期などを尋ねておく
契約書によって異なりますが、原状回復を終わらせておくべき期間が決まっています。契約期間内に、原状回復の工事を終わらせなければならないのか、契約終了後に原状回復工事をするのかの違いは、住宅と貸しオフィスでも異なります。
また、オフィスや商業用として借りた場合、工事も大がかりなものになりますので、工事期間もそのぶん長くなるでしょう。もし、立ち退き日までに工事が終わっていない場合、契約料金が追加でかかることもありますので、契約書の確認と、工事の予定の組み方に注意しましょう。
どこに依頼をすべきか決められないときはどうすべき…?
依頼をしたいけど、知識もないし、どの業者に依頼をすればいいのかわからない。そんなときは、相見積りをオススメします。料金が安いからといって、すぐに決めないようにしてください。あとになって、もっと安くしてもらえるところがあったのにと後悔してしまうかもしれません。
相見積りをすることで、料金の違いがわかるだけでなく、サービスの内容も比べることができます。見比べることで、自分の理想にぴったりな業者を選ぶことができるでしょう。
まとめ
オフィスなどの原状回復について費用やポイントをまとめてきました。最後に、重要な点を再度おさらいしておきましょう。
・原状回復には、内装工事、スケルトン工事、産業廃棄物処理が必要になり、とくにスケルトン工事は大がかりなものになりやすい
・原状回復にかかる費用は設備の条件によって安くすむ場合と、高くなってしまう場合がある
・依頼をする場合は、工事費用だけでなく、工事にかかる期間にも注意が必要
いかがでしたか?これらの点を踏まえて、業者への依頼の仕方を考えてみましょう。迷ったときには、管理者やオーナーとよく話し合うことが大切です。